産後の尾骨痛(尾てい骨の痛み)

尾骨痛

背骨の一番下の骨――仙骨と尾骨

背骨の一番下は腰椎5番と言います。その下は逆三角形の「仙骨」と呼ばれる骨があります。この三角の一番下にもともと人間が猿の時はシッポの骨だった「尾骨(尾椎)」があります。

 

この骨は骨盤の後ろ側を構成していて、三角形の両辺には「仙腸関節」という大事な関節があります。この関節は背骨の重みを両脚へと効率よく荷重を分散する働きがあります。

 

出産で仙骨、尾骨が歪む

尾骨

出産後「座ると痛い」「仰向けに寝ると仙骨が床に当たって痛い」といった症状を訴える方が少なからずいらっしゃいます。

 

出産で骨盤が開くということはみなさんご存知かと思います。この「開く」という動きの中で、仙骨と尾骨は「うなずき運動」や「反うなずき運動」を行います。これを「ニューテーション(nutation)」や「カウンターニューテーション(counter-nutation)」と言います。

 

出産のせいで仙骨がうなずいたままになったり、または反対に起き上がったままになれば、坐骨から尾骨へつながっている靭帯(仙結節靭帯)にテンションがかかります。すると、座ったりすると痛みが出ます。

 

また、うなずき運動が過剰になったままになると、尾骨が跳ね上がり、仰向けに寝ると床に当たって痛くなったりします。

 

この部位の痛みはかなりリスクがあるサインです。今は大丈夫でも、将来股関節や腰の痛みに悩まされるかもしれません。

 

尾骨や仙骨の痛みは矯正で!

このような尾骨や仙骨の痛みは、産後の骨盤調整で良くなります。もちろん、仙骨や尾骨の「うなずき」だけではありません。左右への傾きやねじれも起こります。すると、仙腸関節に効率よく荷重が行われなくなりますので、股関節や腰椎、また膝への影響が出てきます。

 

仙骨の前傾角を正常にするために、仙腸関節や腰椎や股関節を調整することは、痛みやしびれのない生活のために最低限必要なことになります。

 

これから長い育児が始まるのです。お子様を走って追いかけないといけない場面や、運動会に親として出場しなければいけないこともあるでしょう。そんな時「ママは無理だから」とお子様をがっかりさせたくはありません。

 

「座ると痛い」「仰向けに寝ると痛い」などの症状がある場合は専門家へご相談されることをお勧めします。