産後の手腕のしびれ・痛み(胸郭出口症候群)

猫背になっていませんか?

猫背

妊娠中にお腹が大きくなると、どうしても上体を反らせてバランスを保とうとします。

 

上体を反らせると頭部は前に移動します(前方頭位)。これと同時に肩は前に巻いてきます(巻き肩)。

 

これで猫背の完成です。

 

産後に人から「猫背になってるよ」「背中が丸くなったんじゃないの?」と言われる方が少なからずいらっしゃいます。

 

育児の抱っこによるものなのかな? 授乳の姿勢が影響しているのかな?などとお考えになる方が多いのですが、そうではありません。

 

妊娠中に出来上がってしまった姿勢がそのまま産後に残っているのです。

 

猫背にともなう副作用とは・・・

首・肩の痛み

猫背になることで、肩から首にかけての筋肉の使い方が変わります。

 

理想的な姿勢だと、たくさんある頚肩部の筋肉をバランスよく使いますので、一か所が過剰に使い過ぎで硬くなったり、その一方で弱くなったりするというアンバランス状態は起こりにくいのです。

 

しかし、姿勢が変わるとこのアンバランスが簡単に起こります。

 

アンバランスによって硬くなった筋肉が首から肩にかけての神経を圧迫します。すると肩や腕、手、さらに背中や胸などに痛みやしびれ、冷感などを感じます。自律神経に影響することもあります。

 

これを胸郭出口症候群といいます。

 

胸郭出口症候群のタイプ

胸郭出口症候群にはタイプがあります。

 

① 斜角筋症候群

② 肋鎖症候群

③ 小胸筋症候群(過外転症候群)

 

上のように分けられます。それぞれ過緊張を起こす筋肉が違います。

 

産後はさらに呼吸が関与する

妊娠中に呼吸のパターンが変化しますので、妊娠中の呼吸パターンが産後に残ったままになると、首や肩の筋肉が緊張しやすくなります。

 

ですので、呼吸方法もしっかりと戻す必要があるのです。

 

同じ障害でも産後には産後の改善方法がある

胸郭出口症候群と一口に言っても、産後の場合は整形外科学で示されているような紋切り型の治療では良くならないことがあります。

 

さらに、産後は育児があります。生まれる前と産後では生活がガラッと変化します。こういったことも考慮してトリートメントしていかなければ、辛い育児生活になりかねません。

 

もしお困りの方は専門知識のある専門家にご相談ください。