産後の頭痛
高血圧によるもの
頭痛という症状は有訴者も多く、頭痛薬も簡単に手に入るために重要視されない傾向にあります。
ただ、症候性頭痛(脳梗塞、脳卒中、髄膜炎などの病気やケガによる頭痛)は命や後遺症に関わりますので、今までに経験したことのない頭痛だと、すぐに病院で検査をしてください。
さて、それまでは大丈夫なのに妊娠中に高血圧になってしまう人がいます。妊娠高血圧症候群と呼ばれることもあります。
そんな人が産後にも妊娠中の高血圧が正常値に戻らず、高血圧のままのことがあります。この場合、高血圧による頭痛が生じることがあります。
一度血圧を測定してみてください。
貧血によるもの
出産時に出血が多かった、また授乳で栄養分が体外に出るため、産後はとかく鉄分が不足します。
ヘモグロビンがうまく酸素を運んでくれないので、身体を動かすとすぐに息切れがしたり、動悸や立ちくらみがおこったりします。このような症状に伴い頭痛がある場合は貧血による頭痛であると考えられます。
セルフチェックとしては、爪が白っぽい、下のまぶたをめくると赤みがかっていない、舌の赤みが少ないなどがあります。
姿勢によるもの
産後は妊娠中の姿勢が残ります。そのため、頭部が前に出たり、猫背になったりして、肩や首が凝りやすくなります。
すると、凝った筋肉により頭痛が生じます。一般的に緊張性頭痛と言われるものです。
さらに、偏頭痛と呼ばれるものも頚のコリから生じることが最近の研究で分かってきています。
セルフケアとしては、首の後ろや横の筋肉を指圧してみましょう。少しでも楽になると頚や肩の筋緊張が原因です。
水分不足によるもの
人は何もしなくても、呼吸や不感蒸泄により体内の水分が1ℓほど失われています。
そこに授乳が加わるので、授乳中のママの身体からは水分が失われやすい状態です。
水分が不足することで、自律神経の働きが過剰になり頭痛を引き起こすことになります。
1日食事以外で2ℓの水分は摂取していますか?
睡眠不足によるもの
育児をしていると、とにかく睡眠不足になります。
赤ちゃんはお母さんの睡眠に合わせて都合よく寝てくれません。ですので、赤ちゃんんが寝たら家事をしないで積極的に眠るようにしてください。
ご主人様にも家事を手伝ってもらう等の工夫も必要です。
ただ、これとは別に眠れなくなる産後不眠という障害があります。
これに関しては出産で崩れた自律神経のバランスを取り戻さなければいけませんので、東洋医学的治療も行う当院にご相談ください。
授乳していると頭痛薬が怖い!
授乳中は赤ちゃんの影響を考えて薬は極力飲まないようにしなければいけません。
授乳中でも大丈夫とされているアセトアミノフェンなども、目に見える影響が出ていないだけで、分からないところでは何が起こっているか分かりません。
赤ちゃん、そして薬漬けにならないために、頭痛は薬でどうにかするのではなく、頭痛が出ないお体に変えることが一番です。
産後の頭痛でお悩みの方は専門知識のある専門家にご相談ください。