産後の便秘症
便秘のタイプ
便秘とは、
✔ 3日以上便が出ていない状態
に加えて、毎日排便があっても、
✔ 残便感がある
✔ 排便間隔が不規則で便の水分含有量が低下
といった状態があれば、便秘症と言われています。
便が数日間でないと、お肌のトラブルにもつながりますし、下腹の重い感じや張った感じがずっと続くと育児をするにも元気にできません。
どうにか便を出そうとして、サプリを飲んだり、食事を改善していらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
ただ、トイレでいきむのは腹圧を上げてしまい、骨盤底に過大なストレスを与えて、ポッコリお腹や臓器下垂になりかねませんので、できるだけいきまないようにしてください。
排便に関与する反射
便秘症はその状態がいくつかあり、タイプを把握することで、それぞれに合わせた対応が必要になります。
排便には神経の反射が関与していて、神経反射がうまく働くことがスムーズな排便につながります。
〇起立結腸反射
これは朝、目覚めて身体を起こすことで大腸が動くことをいいます。朝にうんちをしますか?という質問は、この反射の働きをみています。
〇胃結腸反射
これは食事等で胃に飲食物がたまり、胃壁が引き伸ばされると大腸の動きが活発になります。食後にトイレに行きたくなるのはこのためです。
〇直腸結腸反射
これは便が直腸にたまり、直腸壁が引き伸ばされると便を押し出そうとすることです。
これらの反射を有効に利用して、排便する必要があります。
産後の便秘は機能性便秘がほとんどで、大腸の形態的な異常はありません。働きが異常となり、便が通過しにくくなるのです。
機能性便秘のタイプ
機能性便秘のタイプは三つに分けられています。
〇大腸通過遅延型
大腸が便を輸送する能力の低下を言います。原因としては、糖尿病などの代謝・内分泌疾患や脳血管疾患・パーキンソン病などの神経・筋疾患、膠原病などにより生じます。また、向精神薬やオピオイド鎮痛薬などの薬剤性のものもあります。
〇大腸通過正常型
大腸の通過時間は正常ですが、排便回数や排便量が減少する(排便回数減少型)と、排便回数や排便量が減少していないのに便が硬くなり排便が困難になる(排便困難型)の二つがあります。
〇機能性便排出障害
排便時に骨盤底筋群をゆるめることが困難になり、直腸内にある便をスムーズに輸送できない状態をいいます。このため、排便が不完全な状態となり、残便感が残ることになります。
これには骨盤底筋群の協調性運動がうまくできていない、腹圧が上がらない、直腸が便が溜まったことを感じ取りにくくなっている、直腸が十分に収縮できないなどが原因として考えられます。
産後の便秘はまずコアトレーニング
妊娠前には便秘ではなく、出産後便秘になってしまったという方には、コアのトレーニングが必要になります。
妊娠・出産で一番変化するのは、やはり体幹機能を正常に保つ「コアマッスル」の機能低下です。
コアマッスルが機能低下を起こすと、体幹動作だけではなく、腹圧調整の問題が生じます。腹圧の調整は内臓の働きと密接に結びついていますので、内臓の不調はコアマッスルの機能低下に起因することがあるのです。
産後はコアマッスルが機能低下を起こします。食物繊維、水分を多く摂るように心がけて、コアマッスルをトレーニングしましょう。