産後の尿もれ・尿失禁
意外に多い尿のトラブル
妊娠では大きくなる赤ちゃんに膀胱が圧迫されて、尿もれしやすくなります。また、出産後も骨盤底筋が弱ったり、自律神経が損傷して尿意に影響がでることがあります。
尿失禁のタイプ
一般的に日本では以下のタイプに分けられています。
① 腹圧性尿失禁
② 切迫性尿失禁
③ 混合性尿失禁(腹圧性+切迫性)
④ 溢流性尿失禁
⑤ 機能性尿失禁
傾向としては、若い女性は①腹圧性尿失禁の割合が高くなっています。
尿失禁がある女性の過半数は①腹圧性尿失禁、29%が混合性尿失禁、21%が切迫性尿失禁と言われています。
産後の女性も①~③がほとんどです。
腹圧性尿失禁
腹圧が上がること(笑う、咳、くしゃみなど)により、膀胱自体の収縮がない状態で尿が意識とは別にもれる状態のことをいいます。
原因は骨盤内臓器を支えている骨盤底筋群の弱化で起こります。
切迫性尿失禁
強い尿意が起こり、トイレに行こうとしているけれど、間に合わずにもれてしまう状態をいいます。
膀胱や尿道への刺激が過剰になって、知覚神経の経路上で障害が起こって生じます。
また、排尿反射抑制機能の低下や、排尿促進経路の亢進により生じます。
尿失禁へのアプローチ
尿もれへの対処は、外科手術、薬物療法、物理療法、骨盤底筋トレーニングなどがあります。
産後の女性は妊娠・出産で骨盤底筋が影響を受けているため、まずは副作用などのない骨盤底筋トレーニングをお勧めします。
骨盤底筋トレーニングは非常に難しく、「おしっこをがまんする」といった単純なものでは鍛えられません。
骨盤底筋が弱り「ぐらぐら尿道」になってしまっているのが産後に多い尿もれです。「ぐらぐら尿道」は骨盤底筋トレーニングや体幹筋トレーニングで改善します。
もし、尿もれでお困りの方は専門知識のある専門家にご相談ください。