産後の仙腸関節痛
妊娠中に緩む身体
妊娠中は出産に備えて、少しずつ身体の硬いところを緩めるホルモン(リラキシン)が分泌されます。
それに伴い、関節を固定している靭帯や腱が柔らかくなり、関節が動きやすくなります。
この弛緩した状態でないと、自然に分娩するときに骨盤が開かないので赤ちゃんがスムーズに出てこられません。
お母さんの身体はこのようにうまくできているのです。
産褥期に戻るはずが・・・
出産後、産褥期には授乳することで、緩んだ身体を締めるホルモンが出ます。
このホルモンのおかげで体は元に戻るのです。
ところが、緩み過ぎたところは十分に元の状態に戻ることができず、緩いままになることがあります。
身体の関節でこのようなことが起こりやすいのは「仙腸関節」です。
身体を支えるかなめの仙腸関節
上図は骨盤を後ろから見た図です。
真ん中に逆三角形の骨があります(仙骨)。その両側に翼のような骨が関節を作っています(腸骨)。
この左右の関節を仙腸関節と言います。
この仙骨の上には脊中、そして腸骨の下辺りには股関節があり太ももの骨に連結しています。
つまり、この仙腸関節は上体と下体をつなぐ重要な役割をしているのです。
産後の仙腸関節痛
仙腸関節痛とは、この関節付近に痛みを感じます。
赤い丸の辺りを「指先」で示すことができる痛みだと、仙腸関節痛の可能性があります。
AKAなどの仙腸関節痛の説明では、「関節がひっかかっている」と説明を受けることが多くあります。
産後の仙腸関節痛は病態の根底に「靭帯の弛緩」がありますので、通常の治療とは異なります。
もし、赤丸辺りに「指先」で示せる狭い痛みをお感じの方は、産後なら専門知識がる専門家にご相談ください。