お腹がぽっこり、お腹が裂けていませんか? 世界の産後ケアではどう扱っている? ~世界の論文探索~

 

「みなさん、お腹、裂けてませんか?」

 

腹直筋離開

 

今回の世界の論文紹介は “Diastasis recti abdominis – a review of treatment methods” です。

 

「んで、いったいお腹の裂け目はどうやったらなおるん?」って話。以下のURLでご覧いただけます。パブメドです。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29512814 ※同業者の方はこちらからお読みください

 

腹直筋離開って、自分では起こっていないと思っている方がほとんどだと思います。重症化したものは自分で気づきますが、ほとんど無自覚の方が多いです。

 

当院でも離開幅が30mmを超える方が多くいます。当院では姿勢撮影分析だけではなく、お腹の裂け目もちゃんと検査をしていますので分かります。ですので、無自覚の「腹直筋離開」を持っているのにほったらかされているママさんがなんと多いことに、医療の不備を感じさせられますね。

さて、この論文には決定的な一文があります。

p99 left column 下の方に、

no generally acceptable protocol of therapeutic exercises has been formulated so far.

とあります。やはり、そうなんです。お決まりの治療法はないんです。まだまだ研究者も分かっていない分野なので仕方ないですね。ましてや街の整骨院や整体の先生が分かっているのがそもそもおかしい。

だから、腹直筋離開なんて知らない施術者がほとんどです。言葉だけ知っていても、ちゃんと内容を知らない。

 

以前、当院に「腹直筋離開していてお腹に痛みがある人が、内科で分からず外科に回されて、外科でも分からずどうしよう・・・」てなっていた方が来られました。間違いなく、腹直筋離開による障害でした。外科の医師からは「先天性の奇形かな?」なんて言われたようです。

 

医師でも科が違えば分からない訳ですから、分からなくても仕方ありませんね~。産科の先生なら分かったとは思います。が、それを改善するエクササイズを知るかどうかは分かりません。産科の先生の仕事ではないですからね。

さて、ここに紹介されているのは、

・strengthening of transversus abdominis muscles or rectus abdominis muscles

・postural training

・education and training on appropriate mobility techniques and lifting techniques

・methods strengthening transversus abdominis muscles(Pilates, functional training, the Tupler’s technique exercises with or without abdominal splinting)

・the Noble technique

・soft tissue mobilization

・myofascial release

・abdominal bracing and taping, the tubigrip or a corset

たくさん紹介されてますねぇ。でも、こんだけあって統一されていないということは、それだけよく分かっていないということでもあるんです。

それぞれが有効性を主張しているんですが、最後のbracing and tapingは効果の確認ができていないらいしです。

Female patients are advised to avoid exercises which cause the bulging of the abdominal wall, exercises engaging oblique abdominal muscles, raising the lower limbs above the ground while lying on the back, abdominal sit-ups, crunches, intense coughing without abdominal support, as well as lifting heavy objects.

でも、やっぱりやってはいけないのは、腹圧が上がり過ぎて離開部が膨らむエクササイズ、寝転んで脚上げ運動(やってないですかぁ?)、激しい咳、重い物を持つ(そんなこと言っても、赤ちゃん抱っこしないといけないよ~)ことらしいのです。

 

手術の方法もあるんですよ。つなぐ方法や、他には化学物質を使い細胞を増殖させてつなぐ方法です。いろいろありますね。

little is known about its risk factors, prevention or management.

さて、サマリーにはこのように「産後の腹直筋離開のリスク、予防、管理に関してはほどんど分かっていない」と書いてあります。

結局、現在は見た目の問題、さらにその見た目を気にしてしまうメンタルの問題として扱われていて、産後の骨盤底機能不全や腰・骨盤帯疼痛症候群との関連性も十分に研究はされていない、と書かれています。

ここまで読んで、結局はそれぞれがさまざまなやり方で産後の腹直筋離開を扱って、それぞれが有効性を主張している段階でスタンダードなものはない、ということです。

当院は、上に箇条書きにしてある中の方法を用いています。

ここで大切になるのは、実績と積みあがってきた経験ですね。当院は14年間、ずっと続けています。昔はインナーマッスルが大切だなんて、どこも言ってなかったです。しかし、世界のスタンダードではもうすでにインナーマッスルが重要だと言われていました。

で、現状を見れば、「産後の骨盤矯正」を謳っているところは、最近良く「インナーマッスル」が重要と言っています。

やっぱり、世界のスタンダードが日本に浸透するまでは10年以上かかるのですね。

ただ、気を付けないといけないのは、この産後の分野は研究者が少なく、今でも十分に分かっていません。ですので、聞きかじりや中途半端な知識で行うと間違ったことをやっていることになりかねません。

ですので、産後のケアをするならちゃんと研究しているところにご相談されるのが安全だと思います。

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